2024/09/07 19:17
長女のピアノの帰り道。
「久しぶりに、田んぼ道から帰られへん?」
「いやや。めんどくさいもん。」
「久しぶりにええやん。
パパ、写真撮りたいし。ええ?」
「ええよ。」
思い返すと、家からすぐ近くにあるこの田んぼの風景が好きで、数年前にここへ引っ越してきた。当時は家族皆んなが今より時間に余裕があったから、子どもたちとも、僕一人でもよく気晴らしに散歩した。今日はなんだか久しぶりに思い付いて、田んぼ道からわざわざ遠回りして帰った。鈴鹿山脈へ沈んでいく夕陽が本当に綺麗で、一日をリセットできる最高の場所だ。長女はよくここで両手を口に当て、山に向かって「お〜い!」と叫んでやまびこを楽しんでる。
気がつけば小学校二年生。習い事も掛け持ちしながら、彼女なりに少しずつ広がってきた世界。反抗も増えてきてなかなか生意気な面も多いけど、この先、何かにくじけそうになったり悩んだりしたら、いつでもここへ帰っておいで。

文・写真=林謙助(おやまだ文化の森)